あらすじ:ハリウッド映画が無声からトーキーへと変わる頃、1930年代、新米刑事スコットは、その映画の森ハリウッドで起きた事件を担当した。そこに関わっていた伯爵と呼ばれる片目にアイマスクをした男、オスカーは、エキストラ専門の役者だったが、実はハリウッドの役者を専門とした、マフィアに属する麻薬の売人だった。
ハリウッドでの、その過酷なスター競争の中で起こる数々の事件に、伯爵はなぜかいつもかかわっている。が、犯人であったことはない。刑事スコットは、伯爵がマフィアで、麻薬の売人であることを知りながら、その変人ぶりと、それから妙に伯爵に慕われることから、どうも憎めず、くされ縁でつきあっていくことになる。
この伯爵とあだ名される男、実はニューヨークの生まれで、母親は俳優、父親は八百長専門のボクサーだった。その両親が死に、ニューヨークを根城にするマフィアに関わって小銭を稼いでいたのだが、その立場が危うくなり、危うくなったところを、俳優志願のロイドに救われ、彼と共にハリウッドに来ることになった。(C)咲花圭良
ハリウッドに来たものの、ロイドはしばらくして姿を消してしまう。そのロイドを探すうちに、マフィアの懐に入り込み、そしてハリウッドを根城にする、麻薬の売人になったのだった。
トーキーの女優として世に出るために起こった殺人事件「日没は2度セリフを言う」、白い肌、黒髪の女ばかりが殺される「紳士が蒼い夢を見る」、女優を夢見る少年「ルル」、たった一つのセリフがもらえたために殺されてしまった「ヴァレンチノ・タンゴ」、伯爵の情熱的恋を描いた「カサブランカの足跡」他、シリーズで構成されている。